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さまざまなアートプロジェクトをお届けしています。

希望へつなぐアート

















東日本大震災から10 年を目前に、
東北で再び大きな地震が発生しました。
ARTS for HOPE10 年の活動を振り返る
「希望へつなぐアート」仙台展の搬入前日のこと。
ようやく確保したレンタカーで仙台へ向かう、先が見えない状況は
10 年前に初めて被災地へ分け入った日と重なり、
不安で心がざわざわしていました。
途中、宮城県美術館が地震の影響で立入禁止の報せが入り、
展覧会は開催不可能に思えました。
しかし仙台市街の無事と津波が免れたことを確認すると、新たな会場を何とか探して、予定通り開催すべきだという強い感情に襲われました。
あの過酷な状況から立ち上がった人々と向き合ってきたこの活動の
この報告を、これくらいのことでキャンセルするのが申し訳なく、
許せない心情だったと思います。
それから懸命に可能性を探り、2 日後にはせんだいメディアテークと契約という奇跡的な幸運と異例のシフトチェンジで、展覧会を無事開催することができました。
            

この地震でフラッシュバックし、
苦しい胸中の方々は非常に多くいらっしゃいました。
そんな方々が展覧会場で、「希望を感じ心が軽くなった」、
「明るい気持ちになれた」「大丈夫だと感じた」と、
救われた気持ちを伝えてくださったことに深い喜びを感じました。
無理してでも開催すべきだった意味がまさにこのことであり、
同時に私たちがめざしてきた役割を再認識できた機会でした。
            

10 年目のこの地震は、まだ続く問題を私たちに忘れさせない警鐘のようにも感じられ、身が引き締まりました。
そして、これからも「希望へつなぐアート」を
はこび続けていこうと思いました。
どうぞ引き続き、私たちをお見守りいただければうれしく思います。
この1 年、そしてこれまでずっと支え続け、応援し続けてくださった皆さまに深く、深く、心からの御礼を申し上げます。
本当にありがとうございました!


2021年4月
ホスピタルアーティスト/NPO 法人ワンダーアート(ARTS for HOPE)代表理事 高橋雅子

【過去ご挨拶文】

《2020/4》
10年は応援を続けよう・・・

東日本大震災で被災した各地をめぐりながら、そう誓っていました。
遠いずっと先のように思われたそれは、もう目の前にありました。

10年経ったら、地域に必要な機能となって根づきたい・・・
漠然とした夢のような願いも、いつのまにか形になって現れ
気づけば黙々と準備を進めていました。

これからの10年は・・・
東北の真ん中、仙台に拠点を移します。
ともに復興を支えながら、必要とされることに努めたいと思います。

これからの10年は・・・
震災前も今もこれからもずっと
サポートが必要な子どもたち、人々と向き合っていこうと思います。
様々な障がいのある子、ない子、グレーゾーンの子どもたちが集う
インクルーシブな創り場、ボーダレスアートスタジオを充実させ
大人になってもそれぞれ自分らしく、夢と希望をもって生きられ
ともに支えあう仕事場、創作工房も創っていきたいと思います。

これからの10年も・・・
その後に引き継がれていくであろう先の未来まで
どうかご一緒に心を合わせていただけますよう
どうかこれからもご支援をいただけますよう
心からお願いを申し上げます。

《2020/1》
復興五輪という、2020年東京オリンピックの年が明けました。
果たして日本は本当に東日本大震災から復興したのでしょうか?
熊本大地震から復興したのでしょうか?
ましてや原発事故という在ってはならない人間の過ちに
正面から向き合い、将来を担う子どもたちや子孫のために
全力で対処したのでしょうか?

東京五輪の工事が急ピッチで進む中、資材や人手不足とそれらの高騰により、 被災地の復興工事にどれほど影響し、どれほど遅れが生じていることか・・・。 五輪の華々しいニュースやイメージにかき消されて、被災地は放置され、 その現状は忘れ、葬り去られようとしているかに感じられます。 そして原発事故に関しても、安易な方策が取られ、 安全性には蓋をして忘れ去ろうとしているかに思えます。 それは、震災以来、被災地と共に歩もうと踏ん張って生きてきたものたちにとって、 何ともやるせなく、時に怒りや悲しみさえ覚える耐え難いものであります。

しかしとにかく、歩みを止めることなく、前を向いて行こうと思います。 10年目を迎え、1200日を超えた活動の中で、 ARTS for HOPEは微力ながら、常に断崖絶壁の経済状態でありながら、 人々と温かい心の絆を繋ぎ、深め、確かな共通体験を重ねてきました。 今後は特に求められる、障がいや病をもつ人々の応援要請にできうる限り応え、 原発事故の影響がある地域、人々の心の応援に向かい続けたいと思います。


《2019》
東日本大震災から8年、熊本大地震から3年が経ちました。
“10年継続が必須”と考え、被災地に向き合い続けてきた
ARTS for HOPEの活動も、今年で9年目に突入いたしました。これまでの活動は通算1,099日(2018/3/31時点)を記録し、昨年は128日間の活動を行いました。これまでどれほど多くの人々と出会い、 どれほど様々なことが起こり、泣き、笑い、被災地がどのように変化してきたのか!そのめまぐるしい日々を感慨深く思い返しています。そして、何とか続けてこられましたのは、皆さまのご支援のおかげと、深く感謝しております。


“10年後以降は被災地域で必要とされる機能となってその地に根ざしていく!” というARTS for HOPEの次なるステップに向けての準備も着々と進め始めています。 今後の東北拠点として、また障がいのある子どもたち・人々の心のよりどころとして仙台市に設置した《ワンダーアートスタジオ》を本格始動いたしました。 被災地における障がい児者のフォローが遅れたことで生じた様々な問題への応援要請が後を絶たず、「さまざまな種類の障がいのある子どもたち、グレーゾーンの子どもたち、 学校卒業後行き場のない障がいのある人々の居場所を作ってほしい」という切なる声もたびたび寄せられたことから、大決心をして開設に踏み切ったスタジオは、 現在子どもから大人までの心の居場所として機能し始めています。


また、引き続き東北各地や熊本からの声も受け止め、仮設住宅や復興住宅の訪問、復興イベントへの参画、地域行事・学校行事への支援協力も行っています。熊本では、 PTSDの症状が現れ始める現状があり、懸念が高まっています。そして今もなお、仮設住宅やみなし仮設住宅などで14,000名の方が仮住まいを続けています。


東北や熊本の被災各地では日々一歩ずつ、復興への歩みをたゆまず続けています。 刻々と変化を遂げていく復興への歩みを感慨深く見守り、人間の力の尊さを実感する一方、目を疑うような悲惨な被災現場に痛烈な痛みと悲しみで打ちのめされた記憶は未だ消えません。 震災による心のダメージや不安、喪失感を軽減し取り除くには、長い時間と忍耐強い支えが必要です。その「心」と向き合い続け、少しでも前を向く力に変えられることを願い、 今後も実直に奮闘を続けてまいりたいと思います。
時を経て、被災地に必要とされる応援も変化を遂げ、今年度も多種多様な新たな支援要請に目の回るような日々が始まっています。しかし継続する資金づくりに毎年苦労を重ね、年々困難さを増しています。今後も被災地に向けた皆さまの温かいご支援を切にお願い申し上げます。


《2018》
東日本大震災から7年、熊本大地震から2年になります。
この国の大惨事に自分たちは何ができるだろう?と自問自答しつつ、自分たちが向き合うべきことという信念に基づき歩みを止めることなく今に至り、昨年も128日間の活動を続けてまいりました。2011年から通算971日に及びます。

人々の記憶が薄れてしまった今でも、被災各地では日々、一歩ずつ復興への歩みを続け、穏やかな暮らしが訪れてきつつある一方で、まだまだその途上にあるという現実に疲れ、挫折したり、心身の健康を損なったり命を落としたり、節目節目に訪れる問題直面に心が折れることもあります。その、「心」を何とか支え、明るくしたいと奮闘を続けています。

昨年は福島県飯舘村の帰村や南相馬市小高区への居住再開による新たな支援の必要性も浮上し、また震災遺児孤児や障がい児者への支援要請も増すばかりです。震災後のPTSDの影響で被災地域の子どもたちの不登校も5倍に上りました。また熊本では、地震のトラウマから未だに一人で家に入れず両親の帰りを待つ高学年の男の子など子どもの心のケアの必要性が問われています。復興の遅れから2年たった今でも壊れた家の片隅で暮らす人々の健康問題やみなし仮設の孤独死など、さまざまな問題にも直面しています。
そんなつらい現実を少しでも吹き飛ばせるように願い、ささやかでもこつこつと、明るい話題を投げ続けていきたいと努力しています。

今年度もすでに、ご希望にお応えきれないほどの要請が相次ぎ、予定調整と現場活動に、目の回るような日々が始まっています。今年も被災地に向けた皆さまの温かい応援を胸に、ご一緒に力の限り取り組んでまいりたいと思います。どうか引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。                 

《2016》
東日本大震災から6年が経ちました。岩手・宮城・福島各県沿岸部をひた走り目にした、延々たる瓦礫地帯と過酷な被災状況。私たちは何をなすべきか、どこへ向かうべきか、自問しつつ無我夢中で始めた活動は、2016年3月11日時点で802日間の総活動日数を記録し、3県には現地支局をはじめ、多くの協力者・団体との連携体制が築かれました。

「アートは無力か」と思われた 2011年3月。
一面泥色の瓦礫地帯に、心が洗われ、希望が射すような美しい色を届けたい!人の生きる力の源は心。その心が晴ればれ元気になるようなひとときを運びたい!何かを創ること、無から有を生むことは達成感と自信につながる。その体験を共有したい!
アートが明日への希望になることを願い、信じ、祈り、無我夢中で走り続けてきました。これまでARTS for HOPEの活動を応援し続けてくださった支援者の皆さま1人1人に、深く深く感謝申し上げます。そして、私たちと共に笑い、たくさんの感動を分かち合った東北の皆さんと子どもたちにも、心より感謝申し上げます。

東北では、まだまだ大勢の人々が仮設住宅で生活し、長引く避難生活を続け、心が折れてしまいそうな人々もいます。熊本地震によって多くの家屋が倒壊し、18万人以上が避難生活を強いられました。ようやく仮設住宅への移行が進められています。
東北も熊本も、現在進行形で日々続いている復興への長い長い道のりがあります。その事実にどうか目を向け、現地の人々の声に耳を傾け、理解し、私たちと共に東北・熊本を応援してください。

東北や熊本を復興することは、私たちの国を復興することだと思います。人々の揺れる心に寄り添い、地域と共に歩む活動をこれからも続けて参ります。どうか私たちと一緒に力を合わせて下さることを強くお願い申し上げます。

《2013》
震災から2年が経ちました。延々たる瓦礫地帯を前に、私たちは何をなすべきか、どこへ向かうべきか、自問しつつ無我夢中で始めた活動は、我に返れば270回を重ね、たくさんの物資を積んだ遠征隊の走行距離は地球1周分を超えていました。

岩手・宮城・福島各県沿岸部をひた走り、自分たちの目で確認した過酷な被災状況。自分たち自身で探した行くべき場所。それらを引き続きフォローしてもらうために、3県各地在住リーダーと支局を設け、現地主導の活動も展開されるまでになりました。

一面泥色の瓦礫地帯に、心が洗われるような、希望が射すような美しい色を届けたい! 人の生きる力の源は心。その心が晴ればれ元気になるようなひとときを運びたい! 何かを創ること、無から有を生むことは達成感と自信につながる。その体験を共有したい!そんな思いだけを羅針盤に、まっしぐらにここまできたARTS for HOPE。しかし、それを応援し続けてくださった支援者の皆様の強力なバックアップなしには到底実現できませんでした。そのことに改めて、深く、深く、感謝を申し上げます。そして私たちと共に笑いや感動を共有してくださった東北の皆様、こどもたちにも心から感謝申し上げます。

東北を復興することは、私たちの国を復興することだと思います。まだ先に長く続くであろう復興への道を、人々の揺れる心と繰り返し触れあいながら、地域と共に歩む活動をこれからも続けていきたいと思います。どうか私たちと一緒に力を合わせて下さることを、強くお願い申し上げます。





サポーターからのメッセージ
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アートディレクター
MAYA MAXXさん/
アーティスト

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